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2015年9月12日土曜日

Boy Meets 鍵盤 ~ あの頃君は(相対的に)若かった。

「1年に1回録音してみては、ため息をつきながら消去している」と書いた際、そういえば今年はまだやってないなと思い、やってみました。





自分で言うのもなんですが、途中までは弾けていると思うのです。
だがしかし、ある時点から音符を追っているだけになってしまっているようで、なんとも恥ずかしい限り。

まあ、こうやって少年は成長していくのですよ。見てろよ、200年後!…って、今まで何回思ったんだ、俺…。



ちょうど手元に作曲者・和泉宏隆本人が、この曲の発表当時(1986年)に出したコメントがあるので書いておきます。

 ・気をつけないと、二流のフランス映画みたい(な雰囲気)になってしまう。
 ・情緒に流されず、サラっと演奏すること。

m(_ _)m はい、おっしゃる通りでございます。もうほんと穴があったら覗きたいですね。
見てろよ、48000年後!(← 大幅に延びてる)







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で、今回は僕が鍵盤に触れるようになったきっかけを、ちょっと世代論風に書いてみます。



僕が楽器を触り始めた(注)1990年前後に音楽を始めた方って、物凄くどっちつかずというか『中途半端な世代』ではないかと思います。
  (注)もちろん小学校で縦笛とか木琴・鉄琴はやりましたよ


というのも、僕がもともと音楽に手を伸ばしたきっかけは曲が作りたいということでした。
この時、アコースティックギターに手を伸ばしていれば、それはそれで迷いもなく一本道で進めたと思います。

しかし、自分はメロディーや歌詞よりも『ガチャガチャとした音』自体を作りたいと思っていたので、手を伸ばしたのはシーケンサーでした。
ちなみにこれ、話を端折っているわけではなく、本当に一番最初にまずシーケンサーを買いました。



え、何が言いたいかって?



当時のシーケンサーって、もう純粋にシーケンサーなんですよ。
つまりいくらデーターを打ち込んでも、それ自体からは一切音は出ないという…。

もちろん僕はそれを分かっていながら、まず最初にシーケンサーを購入しました。

それから最初の音源を買うまでは(1ヵ月半位かな?)ただ小さい2段組の液晶画面を見ながら淡々とデーターを打ち込んでいるだけ(笑)
もちろん音は全く鳴りません。
スタートボタンを押すと、ただ小節番号がカチカチ動くだけ(笑)


でも、果てしなく幸せでした。
なんせ想像の中で鳴っている音は無限大でしたからね(遠い目)

それが初めて音源を買って、繋いで鳴らしてみたときの絶望感といったら…。







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話がそれましたが、この後は入力用の鍵盤や各種音源をそれぞれ揃え始めるわけです。



が、しかし、ここで全人類お馴染みの『現実の壁』というのがやってきます!



自分の場合、まず前提として楽器の素養があるわけではない。
さらに、テクノや打ち込みPopsをやりたいわけではない。
やりたいジャンルは一般的なニューミュージックとか、あわよくばシティーポップスみたいなものが作りたかったわけです。


つまり必要なのは生楽器のシミュレーション


当時はやっと生楽器の模倣に適したPCM音源のシンセサイザーが出回り始めた頃でした。

しかしまだまだ『いかにも』という音で、本物の楽器のような自然なシミュレーションとなると、やっぱり高額なサンプラー(と高額なライブラリー)を買わなくてはいけない。
さらにシミュレーションするためには、それぞれの楽器の奏法を知らなくてはならない。

もちろん、打ち込みの技術もいる。
たった2段の小さな液晶画面では、はじめは和音を打ち込むのも一苦労でした。




となると、ぶっちゃけて言えば
『これって結局、手で弾いた方が早いんじゃないの?』
というジレンマが生まれるわけです。






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自分がやりたいのは演奏ではなくて、あくまで作曲のはずなのに楽器の練習を始めるという、例えるなら「今晩はカレーが食いたいなぁ」と思っているだけなのに、庭を耕してジャガイモを育てはじめたみたいな果てしない回り道感があったわけですね。

もちろん元々ピアノ習っていたとか、そういう素養があればこんな迷いはないわけですが…。

自分はただ、
とにかく曲が作りたい
 ↓
シーケンサーってのを買えば楽器が弾けなくても自分一人で曲が作れるらしい 
 ↓
『現実の巨大な壁』
 ↓
大人の嘘つき!嘘つき!(←自分も既に大人だった件)


というわけで、話が違うじゃん!的に渋々鍵盤を弾き始めたわけです。
でも元々そんなつもりはなかったので、何から手をつけていいのか分からない。



そこで…
とりあえず「LEAVE ME ALONE」でも弾いてみっか。← コレである



ここにすべてのスクェアファンと音楽ファンに謝罪いたします。
なめきった態度ですみませんでした。いや、ほんと。






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で、世代論に戻るのですが、僕のように生楽器のシミュレーションをしようとする場合、

もし5年早かったら、廉価(とはいえ20~30万しましたが)なPCM音源シンセなんて出回ってないし『曲を作る』ということと『楽器を弾く』という事は一体化していたため、特に何の疑問を持つこともなく受け入れていたはずです。

また、もし5年遅かったら、いよいよパソコンを使ったオーディオレコーディングや、サンプリングCDなどが一般化する時代に入り、本当に楽器が弾けなくてもそれなりのものが作れるようになっていました。


冒頭で述べた『どっちつかず』と言うのはこういうことです。


ただ少なくとも5年早かったパターンだと、そもそも自分が楽器を弾くなんて考えられなかったわけで、音楽に手を出そうなんて思いもしなかったでしょうから、そういう意味では、完全にだまし討ちにあったような気持ちではありますが、90年頃のテクノロジーには感謝しています。






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さて次回はポコ太、怒りの新曲?!
『てめーだけは絶対に許さない!!』

ポコ太に何があったのか?
次回、注目であります。



んじゃ、また。