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2015年8月12日水曜日

[特撮-03] 闘う動植物図鑑

1981年に「仮面ライダースーパー1」が終了して以降、いわゆる平成ライダーが始まる2000年までの20年間は仮面ライダー不毛の時代であった。"仮面ライダーはオワコン" の雰囲気すら漂っていた。

そんな中、唯一の連続TVシリーズとして孤軍奮闘したのが「仮面ライダーBLACK」(1987)である。



仮面ライダーBLACK ことブラックサン(左)とシャドームーン。
兄弟のように育てられた二人が改造され、敵味方に分かれ死闘を繰り広げるという内容。(まさかその本題に入るまでに30話以上かかるとは思ってもみなかったが…)



途絶えていたシリーズを再興させるべく、設定やストーリーなど非常に力が入った作品で、また放送前に特番を組み主役オーディションの模様を流したり、石ノ森章太郎自ら描く漫画版を少年サンデーでスタートさせたり、話題性にも事欠かなかった。

結果、"仮面ライダー" を渇望していた視聴者の期待に答え、後番組(あえて続編とは書かない)「仮面ライダーBLACK RX」(1988)に見事つなげた。


とにかく当時の子供たちにとってリアルタイムの仮面ライダーはBLACK(RX含む)しか存在しないので、この時期幼少期を過ごした人達を中心に、30年近く経った今でも凄い人気を誇るライダーである。

もちろんポコ太も(高校生でしたが)毎週かぶりつきで見ていました。





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が、今回はそういう話ではない。

当時、放送を重ねるごとにポコ太は妙な点が気になりはじめた。
しかもソレを気にしていたのが自分の周りには他に誰もおらず、それが余計にモヤモヤを加速させた。

その妙な点とは、敵であるゴルゴム(政界・財界・芸能界などに信者を抱える宗教組織)の怪人達である。

ゴルゴム怪人は皆、動植物をモチーフとしたデザイン・造形なのだが、そのモチーフがどうも『一般的な怪人によくあるモチーフ』から外れた「なんでわざわざそんなものをモチーフにしたんだ?!」という独特なものが多いのだ。


というわけで今回は、そのちょっと妙なモチーフ・セレクトの怪人達をご紹介。






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その妙な感覚は、放送開始早々に訪れた。

・第1話/クモ怪人 ← わかる
・第2話/ヒョウ怪人 ← わかる
・第3話/クワゴ怪人 ← く、クワゴ?!


☆☆ こちらがクワゴ怪人 ☆☆☆


僕はこの番組のおかげで「クワゴ」と「カイコ」は別物ということを知りましたよ、はい。





☆☆ ヤギ怪人(第5話)☆☆☆


えーっと、その…可愛いです…。画像では今ひとつ伝わりませんが、劇中ではその動きも合わせモフモフ感炸裂!声も普段は低いのですがライダーと戦う際には、もろに「メ~」と鳴きました。
コイツに容赦なくパンチやキックを繰り出す仮面ライダーBLACK、まじブラック。





☆☆ アネモネ怪人(第20話)☆☆☆


ア、アネモネ…っすか(汗)何ともコメントしづらいんですが…。詳しい方は教えていただきたいんですが、アネモネって強いんでしょうかね?

ちなみにゴルゴム怪人・全48体中(劇場版及び大怪人含む)、植物系の怪人は3体のみ。
その中で、あえてアネモネ…。何が決定打になったんでしょうか?





☆☆ イラガ怪人(第27話)☆☆☆


既に蛾の幼虫としてはクワゴ怪人がいるというのに、また蛾の幼虫…

しかもこの手の幼虫怪人は、一度やられても成虫怪人となって大逆襲!というのが定番なのですが、クワゴ怪人もイラガ怪人も幼虫のままやられておしまいです。残念な人生です。





☆☆ ベニザケ怪人(第33話)☆☆☆


旅館の朝食かっ!

単に「サケ怪人」ではなく「ベニザケ怪人」というところに制作陣の強いこだわりを感じます。僕はいまだにコイツを「ベニシャケ怪人」と呼んでしまいます。





☆☆ ケラ怪人(第37話)☆☆☆


うーん…。みんなみんな~生きているんだ、友達な~ん~だ~。





☆☆ サンショウウオ怪人(第40話)☆☆☆


いいんでしょうか?倒しちゃっていいんでしょうか?なんとなく背徳感を感じます。コイツに容赦なくパンチやキックを…(以下略)

ちなみに画面に現れたこいつを見て、当時の僕は「なんだ、この着ぐるみ感丸出しの造形は」と呆れたのですが、その後図鑑で山椒魚を改めてまじまじと見つめると、もとから着ぐるみみたいな生き物なんですね。
先のヤギ怪人もそうですが、リアルに再現すりゃいいってもんでもないなと感じました。





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というわけで、当時ポコ太の感じたモヤモヤを追体験していただけただろうか?
結局このモヤモヤから「仮面ライダーBLACK」は自分のなかでこう位置付けられることとなった。

→『闘う動植物図鑑』




さて次回は、このわけのわからない制作陣のこだわりの極北。
ポコ太が衝撃を受けた、とある怪人を紹介する。

次回「ゴルゴムの仕業か?謎のこだわり」にご期待ください!